このような「胃の酵素でタンパク質を消化」に感心があるあなたに向けてこの記事は解説します。
私は大阪を中心に女性限定で自宅出張スタイルでパーソナルトレーニングを実施するトレーナーのtakです。
筋トレで筋肉量を増やして美しくなる価値観が美の世界観で拡散され、女性もそれまでほとんど考えることがなかったタンパク質に意識があります。
あなたは胃の酵素でタンパク質が消化されていき、その後どのようにタンパク質が体内で活かされるのかが知りたくなっています。
私も、タンパク質の体内で活用される酵素や消化する一連の過程にとても感心が出て、徹底的に生合成の専門書を購入し調べたぐらいです。
しかし、タンパク質は胃の酵素で消化され、小腸で吸収されるのですが、その段階で全身の筋肉などの基礎細胞に届くわけではありません。最終的に肝臓で再合成が必要です。
この記事では、胃の酵素がタンパク質を消化する過程を見ていきます。
タンパク質は筋肉量を増やすためにも、筋肉を今のまま維持させて細胞を健全にさせるためにも、知っておくと人間や生物の生命の面白さに気づけます。
この記事では、脳科学の働きを考えて、脳にインプットされ、すぐにアウトプットできる文章構成でまとめています。
ストレスなく、あなたが生きるためにプラスになる知識が手に入ります。
ぜひ最後まで見てくださいね。
胃の酵素でタンパク質を消化する流れを知ってみたい(悩み)
筋肉の材料となるタンパク質は、胃の酵素で消化する流れをあなたに知ってもらいたいと思います。
タンパク質は複合分子なので消化に時間がかかります。そこをうまく生体が考えられているのが、胃酸という強力な酸性力を活かした酵素を持っています。
胃の酵素は食物のタンパク質を酸性にして消化(解決)
胃の酵素は食物に含まれるタンパク質を酸性にして消化を助ける働きがあります。
食物は口から摂取され消化管に入る時点では弱酸性状態。胃では食物を強酸性に変容してタンパク質を分解しやすくします。
胃に食物が入ってくると、3つの胃液のうち塩酸(胃酸)と粘液の2つが胃の中に優先的に分泌されます。
胃液は、塩酸(胃酸)、ペプシノーゲン、粘液の3つで、胃の構造を知ってもらうことが何より基礎となります。生命維持に欠かせない胃の構造を見る|消化器の中心的機能が神秘の記事で胃液を詳しく書いています。また見ておいてください。
胃に入ってきた食物は、唾液の働きで弱酸性にされており、胃に受け入れやすい状態です。
胃の入り口の噴門と言われる部位はそもそも中性やアルカリ性の物質を受け入れず、閉口します。
唾液で食物を弱酸性しているのは、消化管が協力し合う素晴らしい組織のおかげです。
ポイント
現代の食事は科学的に整合されて柔らかい素材の料理が多くなり、顎関節を使って噛む運動がなくなりました。
その結果、唾液の分泌が悪くなり、弱アルカリ性で胃に入り、食道と胃の間の制御が悪く、逆流性食道炎などの消化管の症状が出る人が多いです。
適切に食物を噛んで胃に入るのは弱酸性なので、胃液はその食物に塩酸である胃液を分泌。
塩酸はご存知かもしれませんが、皮膚にかかれば、やけどをする強力な酸性物質です。
この塩酸を食物に溶かし、雑菌だけを殺傷し、食物内のタンパク質だけをピックアップして筋などの消化しにくい部分を離します。
体内に入る前の食事で摂るタンパク質を思い出してもらうと分かりますが、動物性タンパク質のお肉などは、柔らかい部分と硬い部分とが混在しています。
タンパク質のそのような構造的に食感が混在しているのは、DNAと同じでらせん状でお肉の繊維が引っかかり合っているからです。
この状態が、胃の中で強酸性になると、タンパク質のらせん状の立体構造が壊されます。
立体構造が壊れると、繊維はバラバラにされ、さらに胃液によって、筋が消化し、平面状態になるのです。
食物が強酸性に変容してきたら、胃の中の環境は食物と分泌された胃液で酸性の世界です。
胃が酸性の環境が整うまで待っていた胃壁で様子を伺っていた酵素がいました。
その酵素が、タンパク質を消化してくれるペプシノーゲンと言われます。
ペプシノーゲンは、食物がないときと、食物が強酸性に変容するまではまったく仕事をしません。
このペプシノーゲンは、姿を変えないとタンパク質を消化することもできない酵素なんです。
そのために、胃の環境が強酸性に変わることが必須でした。
胃が強酸性に変わると、ペプシノーゲンは酵素が反応して、タンパク質を消化できる酵素ができあがります。
タンパク質消化が得意な酵素はペプシンです。
タンパク質を消化するペプシンの働きを次の章で詳しく見ていきます。
胃の酵素は胃酸が働いて活性酵素ペプシンが分泌(理由)
塩酸が成分の胃酸の働きで、タンパク質を消化する胃の酵素であるペプシンが活性化されます。
タンパク質はペプシンの働きで複合分子から分解され、ペプトンと言われるタンパク質と最終分解物質のアミノ酸の間の状態に消化します。
ペプシノーゲンはペプシンに変換するには、胃が強酸性になる環境が整ってからです。
だいたい、pH2.0では瞬時にペプシンに変換されます。
例えるなら、普通の人だったのが、ドラマでヒーローに変身するように瞬時です。
pH(ピーエイチ)と言うのは、酸性度を評価する程度です。
pHが小さいほど、酸性度が高く、大きいほど酸性度が低く、アルカリ性が高いとされます。
pHは水の性質を知るための1つの目安。
pHは溶液中の水素イオン濃度(H+)の量を示しています。
温度は一定の場合、水は[H+][OH-]は同じ量で存在。
pHは7を中性とし、7以下は酸性、7以上はアルカリ性としています。
ペプシノーゲンがペプシンに変換されるのはpH2.0ですが、1.5以下に胃の環境が酸性化することはありません。
pH1.0まで酸性度が高くなると、胃壁を溶かしてしまうからです。
pH2.0でペプシンが変換され、そこから胃の環境がpH1.0〜pH3.0を保つ間、ペプシンはタンパク質を消化し続けます。
タンパク質の消化が進むと、食物の容量が胃の中で減ってきますので、だんだん酸性度も低くなり、中性に近くなります。
酸性度が低くくなると、ペプシンは変形し、元に戻れなくなり、そのまま胃液に溶かされ消えていきます。
ペプシンが胃が中性に近づくと変形する状態を、生化学では非可逆的(ひかぎゃくてき)と表現します。
分子の世界では非可逆的作用が起こると、消滅し再生できません。
ペプシンを生んだ親であったペプシノーゲンは、胃壁に戻り、中性状態でも生きていきます。
ペプシノーゲンは、pH2.0という酸性度が高い胃の環境でペプシンに反応するにも関わらず、中性状態でも存在できるタンパク質消化にはなくてはならない存在なのです。
食物の中に含まれていたタンパク質は、消化酵素ペプシンの働きで小さく分解されていきます。
タンパク質はアミノ酸分子が100個以上繋がり合った複合体です。
強力な酸性の胃液を生体は胃壁に用意し、炭水化物や脂質は胃のぜん動運動で十二指腸に送るだけなのに、タンパク質は胃が独立して消化させる理由は、タンパク質の繋がりが強固だからです。
ペプシンでタンパク質はペプトンと言われるポリペプチド状に小さくなります。
ポリペプチドとは、タンパク質がどれだけ小さくできたのかは、10個(程度)以上のアミノ酸が繋がった分子と報告されています。
ポリペプチドやタンパク質は、アミノ酸のα位にあるアミノ基と別のアミノ酸のカルボキシル基がペプチド結合で連続的につながった分子です。直鎖構造や環状構造をもちます。一方、タンパク質はポリペプチドの鎖が折りたたまれることで、らせん状(ヘリックス)や板上構造(ストラント)などの特別な構造を持つ分子です。
参考文献:大阪大学|生命の起源ー地球上にポリペプチドが出現したルートの解明にもつながる成果
10個以上から何個までがポリペプチドでタンパク質なのかははっきりと分かっていないようです。
39個(生化学では39残基と言います)アミノ酸が繋がっているACTHホルモンはポリペプチドと生化学では分類し、50個のアミノ酸が繋がっているインスリンはタンパク質と分類しているようです。
- ACTHホルモン:39個のアミノ酸が繋がっている副腎皮質ホルモン。下垂体前葉のACTH産生細胞からpro-opiomelanocortin(POMC)と呼ばれる前駆細胞を経て産生・分泌される。
- インスリン:血液中のグルコースを調節するホルモン。21個のアミノ酸残基からなるA鎖と30個のペプトン鎖からなるB鎖が、2つのジズルフィド結合で結合した構造。
タンパク質は立体構造のまま生体内で存在し、ポリペプチドは折りたたまれると生命活動の一員となります。
胃でペプトンの酵素作用で消化分解されたペプトンはアミノ酸が折りたたまれたポリペプチドです。
小さく分解されたポリペプチド状のペプトンは、胃の下方部に流れていき、幽門と言われる十二指腸との開口部で、次なる消化器環境に進んでいきます。
胃の酵素でタンパク質を消化し小腸で吸収するまでの流れ(説明)
胃の酵素でタンパク質を消化し小さい分子に変容させた後、十二指腸から小腸で中性の強い消化酵素で吸収されます。
酸性が強いのは胃だけで、十二指腸や小腸は酸性はなく中性の消化管に環境が作られています。
ペプトンという折りたたまれて分子が活性化するポリペプチドまで小さくなりました。
タンパク質のままの分子なら、幽門部は通過できませんでした。
幽門部と十二指腸の間のチェックポイントは、食物が消化分解のために強酸性にされていたものが中性になっているかを見ます。
次なる十二指腸の環境は、膵臓からの消化酵素が中性でないと分泌されてこないからです。
ポリペプチドまで消化分解されていると、中性分子ですので、幽門部の通過が可能です。
摂取量が多すぎたり、口腔から肛門まで伸びている消化管の細胞でどこか一箇所でも病状な部分があると、消化管の連動性が落ち、胃でタンパク質をペプトンまで小さくできません。
食物は消化不良とされ、胃の中で流動し、食道と胃のつなぎ目である噴門に戻され、もう1度ペプチノーゲンからやり直しです。
誰もが経験されていますが、消化不良で胃の調子が悪いことがありますが、この状態はペプトンまで消化分解できなかった食物が噴門部に戻されているからです。
消化不良とは?
消化不良とは、みぞおちのあたりに起こる痛み、不快感。
痛みは持続する場合もありますし、繰り返し起こる場合もあります。
消化不良は、年齢・性別関係なく起こり、4人に1人は経験する胃特有の症状です。
消化不良の症状とは
- 胃痛
- 胃の不快感
- 膨満感
- 胸焼け
- 吐き気
- 嘔吐
- げっぷ
参考文献:日本クリニック|Dyspepsia(消化不良)について
胃の酵素でタンパク質を消化
膵臓の酵素でタンパク質を分解
膵液は重曹を含み、胃酸で酸性化された食物を中和
膵液のphは8.5(中性)
膵液のタンパク質分解酵素は中性化で働く→トリプシン・キモトリプシン・ペプチターゼ類
回腸でアミノ酸に分解
腸液中のアミノペプチターゼ・ジペプチターゼの働き→ポリペプチド・ジペプチド・遊離アミノ酸まで分解
・一部のポリペプチドは、微絨毛内のペプチターゼによって遊離アミノ酸まで分解される
空腸までにアミノ酸に分解され小腸で吸収
タンパク質は小腸で吸収された後肝臓で再合成(具体例)
タンパク質は胃で消化、腸内で吸収され、アミノ酸に変換されてから肝臓に吸収して再合成によって全身の細胞に運ばれます。
小腸でアミノ酸まで分解されようやく吸収されると、すぐに全身の筋肉などの組織の栄養とはならず、次は肝臓で生成される酵素を活性化していきます。
肝臓では約2000種類もの酵素が瞬時に500種類もの化学反応を起こす
→肝細胞1個につき1分間に60〜100万個のタンパク質を産生
→アミノ酸はここで新しいタンパク質となる→再び活躍する
まとめ:胃の酵素は食物のタンパク質を酸性にして消化
胃の酵素は、胃が酸性となった環境で最も働きやすくなります。
そのために、弱酸性で胃に入ってきた食物を胃酸が強酸性にし、酵素の働きを活性化するのです。
食物が胃袋に入ると重くなりますが、その環境の変化を胃壁と脳の自律神経が胃液の分泌量を増やすような働きをします。
すると、胃の中が酸性となった瞬間に、胃壁に蓄積されていたペプシノーゲンが活性化され、タンパク質を消化する酵素であるペプシンに変容するのです。
ペプシンが分泌されると、タンパク質はペプトンと言われるポリペプチド状に変わります。
ペプトンとなったタンパク質は、胃の幽門に流れていくと、開口して十二指腸に運ばれます。
十二指腸では、膵臓で膵液であるタンパク質分解させる消化酵素があります。
- トリプシン
- キモトリプシン
- ペプチターゼ類
この3つが膵臓で生成される膵液の消化酵素。
膵液から分泌される消化酵素の特徴は、胃が酸性だったのと違って、十二指腸は中性を保ちます。
胃はタンパク質を消化する働きでしたが、十二指腸から小腸は分解して吸収する部門となるのです。
そして、小腸ではポリペプチド、ジペプチド、遊離アミノ酸に分解されて、アミノ酸という最小分子となって、吸収されます。
ここで完全に吸収されたかと言うと、ここで終わりではありません。
最後は肝臓に運ばれて、肝臓に約2000種類のタンパク質を活性化し分解する酵素で、全身の細胞膜のゲートを超えるアミノ酸となるのです。
タンパク質は筋肉の材料となるだけでなく、あなたの個人情報であるDNA(デオキシリボ核酸)を転写したり、翻訳したり、痕跡を残したり、これらの大切な反応もタンパク質が材料となっています。
タンパク質を細胞に合ったカタチにする胃はあなたを支える重要な臓器です。